みなさんこんにちは!AOI(@shumemories)です。
先日、以前日本の小学校でALT(Assistant Language Teacher)の仕事をしていたアメリカ人の彼に「日本の小学校の英語教育の現状ってどうなの?!」という疑問に関する質問をいくつかしました。
すると彼は「う~ん・・・確かに改善できるところはたくさんあるよね」と言っていたので今回はそのやりとりの内容をご紹介します。
今日の記事のポイントになる”human tape recorder/ヒューマン・テープレコーダー”についても解説していきたいと思います。
実際に小学校ではどのような授業をしているのか?その質は?更には、日本の学校システムで驚いたことなどをまとめてみたのでコーヒーを飲みながらどうぞお楽しみください。

それでは質問ごとに彼の意見を見ていきましょう
日本の小学生の英語レベルは世界的に見てどう思う?
Photo by Robert Collins on Unsplash

彼いわく、まだ英語教育が始まって間もないこともあり、ほとんどの子供が英語に触れたことがないそうです。
クラスの中には毎回、数名だけ英語が得意な子供が混ざっています。
というのも、小さいうちから英会話学校や塾に通っている子が稀にいて、そういった子達にとっては授業が簡単すぎる!という声も上がっているのです。
しかし家庭の経済状況が子供の教育に比例するのは否めなく、ほとんどの子供たちは学校から支給された教科書のみで勉強をします。
色やスポーツ、食べ物にちなんだ単語を含め”初期の初期”から勉強をするので比較的に簡単なレベルと言っていいでしょう。
私自身、学校では児童英語教授法を専攻していたこともあり、小学校低学年の授業と言えば身体を動かしてリズムに合わせて「英語に慣れる」ことが目的とされています。
ですから、クラス内でレベルに差が生じた場合は家庭内での学習ないし外部での学習時間をより充実させる事でしかスキルを向上させる方法はないでしょう。
どうすれば授業内でより英語が身に付くと思う?
みなさん、意外かもしれませんが日本で働くALTの先生のほとんどが教員免許を持っておらず、英語がネイティブで話せたら誰でもできる仕事なのです。
ですから派遣で雇用されている人も中には多く彼が言うには、まずはこの雇用形態を見直し”免許を持っている本当の先生”を国や市が雇わなければいけない。
とのことでした。
例えば台湾では、公共の学校で英語の先生として働く場合はバックグラウンドチェック及び母国で教員の資格を取らなければ勤務できません。
しかし日本では多くの人が派遣会社へ登録し、学校へ派遣される流れになっているのですが
近年、外国人労働者の雇用に関して労働基準法に反する企業つまりブラックカンパニーが蔓延している関係で先生も入れ替わり立ち代わりで長期勤務することが難しいのです。
”英語を教えるプロ”ではないのでやはり質は下がってしまいますし定着率も低い為、授業にも影響を及ぼしているのが現状なのです。
ALTの先生をhuman tape recorderとして扱うケースも
Photo by Namroud Gorguis on Unsplash

”human tape recorder”はぜひ今日覚えてほしい単語です!英語ならではの言い回しなので印象に残りますね!
本記事のタイトルにもなっているhuman tape recorder(ヒューマン・テープレコーダー)
日本語に直訳をすると「人間テープレコーダー」という意味なります。
実はこの文化がALTの先生を悩ませ、また日本の英語教育をもったいなくさせていると言っても過言ではないのです。
このhuman tape recorderとはつまりALTの先生をカセットテープのように扱うことを表現しています。
どういうことかというと、日本人の先生は英語を教える際にネイティブの先生を連れていかなくてはいけませんよね。
しかし英語が話せなくて上手くコミュニケーションが取れなかったり、授業の邪魔をしてほしくなかったり、上手く扱い方が分からないことから”ただ教科書の単語を発音させる為だけに使う”のです。
この人権を無視した対応に心を病みながら日本で働く先生も多くいますし、何より無意識にこのような授業形態をとってしまうことで非効率な時間を過ごしているのです。
授業で使うCDやカセットテープは当たり前ですがネイティブの発音のものを教材にしている上、その場にいるALTの先生に再度音読や発音をさせるというまさに”人間テープレコーダー”式授業を行う先生も少なくありません。
そのようなことから民間の英会話学校へ転職をする人も多数いるのです。
日本の学校システムで驚いたことは何?
Photo by Ben White on Unsplash

日本の学校の儀式や生活文化で驚いたことをいくつか聞いてみました
国も違えば文化や考え方が違うのは当然。
アメリカ人の彼から見た「ここが変だよ日本の学校システム」をまとめました!
あいさつ
一番に彼が言っていたのはこの挨拶文化。
日直さんによる
「起立!」「きょーつけー!」「れい!!!!!」
しまいには
「これから1時間目の授業を始めます!!!!!!!」
という軍隊じみた文化には違和感を感じたそうです。
アメリカでは「Done, Break, Go home」で終わる話なので何の意味があるのか理解できなかったというのが素直な感想とのことでした。
終わりの会
これも「みんな早く帰りたくないのかな?」と疑問だったそうです。
一日の振り返りや出来事を共有するのは素敵な文化だけど、チャイムを延長して10分15分費やすのはここから”サービス残業文化”ができているのではないか?と思ったそうです。
パソコンが少ない
Photo by Susan Yin on Unsplash
彼が日本の学校に勤めていたのは2015年、当時は全体で図書館に20台しかパソコンがなかったそうで、その内1台のみ教員用だったのです。
また先生たちもほとんどがパソコンを使うことなく毎日を過ごしていたのが印象的だったようです。
彼が子供の頃の方が(1990年代)学校にパソコンがあったので、まるでタイムスリップしたような気持ちになった!ととても驚いた様子で話していました。
2020年からはプログラミングが必須になるのでもう少し普及するとは思いますが、それでもまだ先進国の中ではITに乏しい環境なのです。
ちなみに進学校で働く恩師はMacが常設しており、授業の資料作りはkeynoteでこなす!と言っていたのでやはりお金が物を言う世の中なのでしょう(笑)
無駄に多いペーパーワーク
何をするにしても、教頭先生や校長先生のハンコを潜り抜けなければいけない制度が日本の文化を物語っている、そう話す彼から聞く意見がとても新鮮でした。
ソウトウェアを使って管理ができるのになぜか紙を使用していたり、大量のファイルで保管していたり・・・とやはり昭和時代の名残が未だに残っているのも不思議だったようです。
アメリカは画期的なシステムを好む国なので、効率が上がるのならば導入するのが当たり前。
だからこそ日本の先生たちの仕事は年々増え続けており、ブラック企業と言われているのでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?
なかなか現場で働く外国人の先生の意見を聞く機会はないので話していて私自身学びがありました。
彼はバイリンガルや大学の教授ではないので、専門的な教育に関する話題は避けたのですが実際に日本でALTとして1年働き、その後韓国でも英語を教えていた彼が感じた日本の英語教育に関する疑問
また、アメリカとの文化の違いを知るきかっけになれば幸いです。
最近では親子留学や子供留学が浸透しており昔に比べて英語が身近になりましたよね!だからこそまずは大人が英語を楽しめるよう、また海外旅行などの旅育に繋がるように機会をみつけてインタビュー企画をしようと思います。
それではSee you next time!
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